ご案内
この商品のコンセプトは何々で、とやると上司は何となく安心する。
必要なのは、コンセプトではなく、商品のアイディアである。
コンセプトとは、俳句でいえば、季語のようなものだ、と考えておけばいいだろう。
コンセプトづくりの得意な生マジメな秀才さんから、軽薄、もっとまじめに真剣にやれといわれるかもしれないが、重要なのはあくまで俳句の中身である。
人間通こそマーケティング通マーケティングの言葉でいえば、人々の欠乏欲求を単純に満たすニーズの時代は遠い昔に終わっている。
消費者が、ホンネのところで何が欲しいか、何を望んでいるかというウォンツを深く掘り下げる時代になった。
というより正確にいえば、このウォンツの裏付けのないニーズは駄目だということである。
要するに、本音のところで何が欲しいのかというしっかりした裏付けのないニーズでなければ勝負できない。
そのために大切なのは、消費者をよく知るというよりも人間通であることだ。
マーケティングデータから平均を読むのではなく、人間の欲望の変化を読みとることである。
その点で生マジメすぎる人には、この世界は向かない。
朝まで生テレビを見て、「ほう、新手の東京漫才が登場したナ」と軽薄におもしろがる人が、人材である。
この人間を知る一番の近道は、もしかしたら自分に帰ることかもしれない。
社員自身が消費者の意識をもって、製品をつくることが大切になる。
企業の社員という意識からの商品開発ではなく、一消費者としての商品開発が重要である。
高級品から低価格品への切り替えの時代だといわれるが、そんなことはあるまい。
高級品も低価格品も良いものは売れる。
ただ値段が高いだけで高級品だとだましていたメーカーのご都合主義がバレただけである。
消費者はメーカーが考えるほど、単純ではないし、また世の道学者が考えるほどかしこくもない。
1度、自社の商品を生活者個人の目から見直してはどうだろうか。
ずいぶん穴があるはずだ。
もっとこうすればよい製品になるのに、それではコストを圧迫するとか、つい開発や生産の意識が先立つあまりに、犠牲になっている部分が多いはずである。
個人が主体的に関わることで、会社も変わる。
生活感覚を持つことでマーケティング感覚もできてくる。
自分のウォンツを実体化させることで本物のニーズに応えられる。
生活の実体験のなかから商品開発をできるようになる。
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